ヤマザキの森では今も、
「ごみを捨てないでください」という看板の近くに、
賞味期限が1980年の錆ついた缶が捨てられています。
私たちNPO法人ナチュラルリングトラストの活動は、ごみを拾うことから始まります。
具体的な活動内容は、ごみを拾い、笹を狩り、ツリーハウスを作ること。
それは、里山を守ると同時に地域の人がそこに集まる起点となる場所をつくる
ということだと思っています。
かつてのヤマザキの森の姿
3年間活動を行い続けている今もなお、
5分も地面をつつけば、急須、靴、薬など、掘っても掘ってもごみが出てきます。
国内最悪とも言われる香川県豊島の不法投棄事件が世を騒がしていた1970年代、
全国各地に産廃銀座と呼ばれる地域があり、ヤマザキの森もまた、
不法投棄常習地帯でした。
地域を守ろうと住民が立ち上がり、独自の監視活動を行った一方で、
廃棄物に対する規制強化、ごみは資源、という言葉が世の中に根付き始め、
やがてごみを捨てに来るダンプは退散するようになりました。
ごみを捨てるダンプがいなくなれば、里山は再生するのか。
人々の生活は豊かになり、里山の薪や落ち葉を必要としなくなった結果、
ごみの山は撤去しきれないまま地面に埋もれ、その上から笹が生え、
荒れ果てた雑木林となってしまいました。
私たちが初めてヤマザキの森を訪れた時は、
本当にここが里山として生まれ変われるのか?という状態でした。
ごみを拾い、笹を狩り、途方もない作業を繰り返し3年。
活動に参加するスタッフさんは全員ボランティアです。
「里山保全」「「自然とふれあえる」キレイに整頓された言葉の裏側では、
地味できつい作業をこなす。
参加者が中々定着しない時もありました。
人がいなければ、この里山を再生させることはできない。
この活動を継続するには、どうすれば良いのか?
人を巻き込むというコト
「この里山に、ツリーハウスをつくろう。
地域の人も、都会からここに通う人も、そこで交流するんだ。」
建築のプロがいたわけでもなく、
もちろん作ったことがある人もいなかったけれど、
里山を守るということはどういうことなのか、
メンバーで考え抜いた結果、
「地域コミュニティの起点をつくるコト」を目標にしようと結論を出しました。
そして、ツリーハウスに興味を持った人も参加するようになり、
里山再生活動とツリーハウス制作が始まりました。
ついに完成プレパーティー
10月の3連休で、完成プレパーティーを開催しました。
近所の町の施設をお借りして、貸切キャンプ。火を囲み、芝生に寝転んで星空観察。
普段は交流することがない地域と都会の人たちがヤマザキの森を起点に語り合いました。
500枚の屋根板を葺き終わり、次回は雨戸をはめ込みます。
新しいメンバーも引き続き募集中です。
次回活動告知
活動日:2016年11月19日(土) 10:00~15:00
やること:笹刈り、ごみ拾い、自然観察、ツリーハウス雨戸づくり
Facebookページ:http://fecebook.com/NaturalRingTrust/