薪まきイベントvol.12013年02月17日


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2月17日のよく晴れた日曜日、私たちのNPOの初めてのイベント、「薪まきイベントvol.1里山復活物語」を、埼玉県比企郡吉見町で開催しました。薪を通して都市と農山村の交流を図り、自然環境の保全と地域の活性化を進めようと行っている、薪まきネット「薪バンク」プロジェクトの普及を目指して行いました。昨年末のエコプロダクツ2012でブースに寄っていただいた方など15名の方が集まりました。中には千葉県から車を飛ばしてやって来たグループもいます。

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午前中は、吉見町の里山を散策。岩盤が折り重なって空洞ができているため、歩くと響くことから「ポンポン山」と呼ばれる丘の上から町を眺望しながらスタート。

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雑木林の散策道を歩きつつ、生活様式が石油やガスに変わったことにより、雑木林の管理が放置され、荒れてしまったところや、私たちが昨年から管理を始め、生い茂った笹を刈りはらった林を見比べたりしながら里山の冬の自然を楽しみました。

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吉見町は、吉見百穴と呼ばれる崖にたくさんの横穴が掘られた遺跡が有名ですが、この日歩いたところにも、黒岩横穴群と呼ばれる遺跡があります。まるでお墓の団地。どうやって岩盤をくり抜いたのか、不思議でなりません。

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雑木林を抜けたところの八丁湖でマガモやコガモのバードウォッチングした後、坂東11番札所で左甚五郎が掘った虎が奉納されている吉見観音にお参り。

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2時間の里山散策で、お腹も減ったところでいよいよランチタイム。散策している間にスタッフが作った精米したての特別栽培米コシヒカリを外かまどで炊いたご飯と、うどん入りの豚汁です。炊きたてのご飯でそれぞれがお握りづくりを作りました。鮭やおかか、梅干し、シソ昆布など、色々な具材を用意していましたが、塩結びが一番!との声。精米したてで、かまどで炊いたご飯の美味しさは格別です。

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午後は、本日のメインイベントの伐採体験。1本のコナラの木を皆で力を合わせて切る作業。お揃いのヘルメットをかぶり、スタッフから雑木林を管理する大切さや、切り方の説明を受け、作業を開始。まず初めに、木が倒れる方向に、受け口という切り口を作り、続いて倒す方向の反対側からノコを入れる追い口切り。大きなノコで交代しながら切り刻んでいきますが、結構息のあがる作業です。チェーンソーを使えばあっという間ですが、人力作業はゆっくり木と対話することができます。

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みんなが息のあがってきた頃、そろそろ倒れそうというところで、予め木にかけていたロープを皆で「それーっ」と引っ張ると、狙っていた場所にバリバリと音を立てながらゆっくり倒れていきます。初めて伐採を体験した参加者は、倒れていく様子や倒れた時のドスンという大きな音にびっくりしています。それにしても、何度やっても伐採作業は、安全管理に細心の注意を払う緊張する作業です。

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伐採作業の疲れは、ダッジオーブンで焼いたジャガイモを食べて一息。
休憩後は、最後のプログラムの薪割り体験。エンジン式、手動式、昔ながらの斧での薪割りの体験です。斧を持つのも初めてという参加者は、なかなか狙ったところに振り下ろせませんが、何度かやっているうちに、パカンと良い音をたて、薪が真っ二つに
割れて飛んでいきます。上手く割れたときの笑顔がなんともいえません。

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午前中は風が強く、寒い1日でしたが、とても心温まるイベントとなりました。これをきっかけに、迎え入れてくれた農家のところに、休みの日にフラッと訪れ、山の作業や農作業をちょっとだけ手伝う関係が生まれれば、猫の手も借りたい農家は助かり、都会に暮らす者は心身のリフレッシュが得られるのではないでしょうか。何よりも、荒れて不法投棄されてしまった里山が、生き物がたくさん生息する、かつてのような自然環境に回復していきます。

薪まきイベントvol.2では、この日の反省をもとに、もっと楽しんでいただく企画を準備しようと思います。
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この日の特別参加者、スタッフの家族であるチョコちゃんも、伐採作業を楽しんでくれたみたいでした。