天高く馬肥える秋。たわわに実った稲穂が頭を垂れ、収穫の時期を迎えました。
9月28日、私たちが活動している埼玉県吉見町の里山で、ツリーハウスプロジェクトの第1弾イベントを開催しました。
私たちは、薪を通じて都市と農山村をつなぎ、地域の活性化と荒れた雑木林や間伐が進まない人工林の再生を進める薪まきネット「薪バンク」事業という活動をしています。今日は、そのイベント。荒れた雑木林を再生し、そこにツリーハウスを創っていこうという呼びかけに、東京から14名の方が集いました。
挨拶を終え、スタート。まずは、関東平野を一望できるポンポン山に登りました。吉見町は百穴で知られていますが、ここも観光スポットの一つ。折り重なった岩盤に空洞が出来て、歩くとポンポン反響することから「ポンポン山」と言われています。みんな、どこが一番鳴るか、足を強く踏み叩いて探しました。
続いて、里山散策。薪や炭、腐葉土を必要としなくなり、経済価値が無くなった里山は、定期的な下草刈りがされず、笹が生い茂り、太陽の光が届かないため、野草が生えていません。また、15年~20年ごとに伐採してきたコナラやクヌギも放置され、太く育った様子を観察し、人と自然の関わりを考えました。
いよいよ、ツリーハウスを創る場所に到着。まずは不法投棄されたゴミを一か所に集める作業から。1000万円が出てきたら、皆で山分けだ!と言いながら、よくもこんな物を捨てたもんだとあきれつつ、土に埋まった色んなゴミをかきだします。人が自然と関わらなくなると、こういうことになるのかといった感想も聞こえます。
お母さんと一緒に小さな子も、一生懸命ゴミを運んでくれました。
30分の作業で、軽トラック2台分のゴミの山。まだまだ捨てられていましたが、今日はここまで。
ゴミ拾いの後は、親指ほどの太さの笹刈り作業。ノコを手に、横に並んで前に切り進みます。
ザクザクとノコを引き、どんどん刈り進んでいきます。小1時間ほどの作業で、かなりの笹藪が刈り払われ、太陽の光が差し込む原っぱが復元しました。
一人ではとてもじゃないけどやる気が起きない作業ですが、みんなでワイワイと1時間ほど作業すれば、あっという間にこんなに奇麗になります。心地よい汗をかき、お昼になったので作業を終了し、おまちかねのランチタイムとなりました。
ランチは、新米ご飯と豚汁。
収穫したての特別栽培米コシヒカリを羽釜で炊きました。3升の米を電気炊飯器と羽釜に半分ずつ分けて炊きあげましたら、羽釜は多少焦げてしまいましたが、焦げのない電気炊飯器で炊いたご飯とは別物の味。あっという間に羽釜のご飯は無くなりました。
お弁当を配るほうが、運営者としては楽なのですが、美味しい!と何杯もお代わりをしている参加者を見ると、手作りして良かったなと思うひと時です。羽釜で炊いたご飯は、おかずいらず。ほんのちょっと塩をかけるだけで何杯も食べられます。
お腹も満足になったところで、今後の活動についての話し合い。午前中の活動の感想や、今後のツリーハウス作りに向けた意見や思いなどを語り合いました。
ツリーハウスを2棟つくり、その間をロープに滑車をつけてぶら下がって行けるようにしたい!、石窯を作ってピザを焼きたい!ハンモック!ステージを作り森のコンサートを行いたい!と、夢がどんどん広がります。
夢の実現に向け、まずは笹刈りを完了しようということになり、参加者の増やし方を考えました。自分が活動する団体の外国人ボランティアに紹介するという嬉しい発言や、知人友人を誘うなど、色々な提案をいただき、2年を目途にツリーハウスを完成しようということを決め、今回のイベントは終了。終了後は、時間のある方に残っていただき、薪割り作業を手伝っていただきました。
突然始まった作業に、薪棚の上で寝ていた猫が何事か?とびっくりした様子で作業を眺めていました。
昔ながらの薪割り、手動式の薪割り機、エンジン式薪割り機に分かれて薪づくり。あっという間に沢山の薪が完成。これも人海戦術の力です。帰りの東松山駅前で美味しいビールと焼きとりを食べられたでしょう。
ツリーハウスを合言葉に、色々な人が集い、知恵や力を合わせて里山を再生する活動がいよいよ始まりました。多くの方が集まれば、もっともっと色んな活動が広がります。ご興味のある方は是非ご協力ください。